香りの散歩道


天日干し

墨絵・朝野泰昌
「朝野家 香りの散歩道」
この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りします。

海の幸、山の幸に恵まれた日本は、干物や乾物など、保存食の宝庫ですね。
冷たい風が吹いて空気が乾燥する時期は、干物や乾物づくりに適しているとか。

また、魚介や野菜などがたくさんとれて、値段が安くなる旬の時期に、「天日干し(てんぴぼし)」をするのもいいですね。
お日さまと風のチカラを借りる天日干しは、保存性を高めるだけでなく、水分を適度に蒸発させることによって、栄養とうま味が凝縮するという良さがあります。

うま味を引き出すといえば、和食の基本になる「だし」は、昆布やかつおぶしなどのおいしい乾物があればこそ。
日本の食文化は、乾物に支えられてきたと言っても、決して大袈裟ではないでしょう。

また、日持ちのする乾物は、災害が起きたときに頼りになる、非常食としても見直されています。
それは、今にはじまったことではありません。
たとえば、切り干し大根は、江戸時代、飢饉に備えて大根を栽培することが奨励され、日本各地で作られる保存食になったとか。

飢えをしのぐだけでなく、干し大根には、生の大根を使った料理とは、ひと味違うおいしさがあります。
乾物は、手間と時間をかけることによって、命をつなぎ、おいしさを長持ちさせる、台所の知恵なのですね。


「朝野家香りの散歩道」この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りしました。

*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

11月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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